令和3年 新年の御挨拶

御挨拶

2021.01.01


新年おめでとうございます

 新(あらた)しき 年の始めの 初春の 
 今日降る雪の いや重(し)け 吉事(よごと)

 『万葉集』にある大伴家持の歌です。
 「新しい年の始め、新春の今日、降りしきり重なる雪のように、一層重なれ良いことが」と解釈しました。

 一般的に学校は会計年度で動いていますので、行事や事業そのものは年が改まっても二学期から三学期への継続的な部分が大きいものの、令和3年という新しい年を迎え、やはり厳かで気持ちの引き締まる思いがいたします。

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、従来に比べ感染力が強いとされる変異種の流行への懸念も広がるなかで新しい年を迎えました。
 重症患者の激増により大都市では医療崩壊が声高に叫ばれ、経済との両立をめざした観光需要喚起策「GoToトラベル」も一時停止されるなど、昨年の学校臨時休校同様、右往左往するばかりです。

 そんな中、漫画『鬼滅の刃』の人気はアニメをきっかけに火がつき、その主題歌『紅蓮華』も大ヒット、髪型やコスプレなど、鬼滅ブームの勢いはとまりません。
 私の勝手な推測ですが、爆発的なヒットの要因の一つに、主人公である竈門炭治郎の優しさと強さがあるのではないかと思っています。
 自分に厳しく他人に優しい炭治郎の人柄が、行き先不透明で混沌とした現代に生きる若者を中心として各世代に受け入れられたのではないでしょうか。

 「血気に老少あり。志気に老少なし」 佐藤一斎 『言志後録』
 今年も、『学校経営グランドデザイン』を基に、『学校経営目標』の具現化に向けがんばります。
 また、『キャリア教育推進プラン』に沿い、いただいた『学校関係者評価』や『第三者評価』を意識しながら「不易」と「流行」をわきまえ、生徒たちには引き続き「凡事徹底」を促しつつ教職員が一枚岩となって一人ひとりの生徒を大切にした確かな教育を実践してまいります。
 ますます良いことが重なることを信じて。

 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
image_1

 奈良大学附属高等学校 校長 辻 寛司